こんにちは、田上です。
現在、社内では2017年卒業の新卒採用そして、これからの時代背景に併せた、サービスラインナップを検討しています。
まず、実現させようと考えているのは、「タイ現地在住日本語人財の日本雇用」です。
こちらは、盤谷(バンコク)日本人商工会議所の会員企業数です。
増加が顕著ですが、今後タイは日本企業のASEAN進出にあたりハブとなりうる国となります。
さらなる増加率が見込まれるでしょう。
シンガポールではコスト面で見合わなく、見送りや撤退のケースが見受けられます。
こちらは、訪日タイ人観光客の推移になります。
訪日のビザ条件が緩和し、14日以下の滞在であれば、タイ人は日本にビザなしで滞在できることが可能になりました。
さらなる増加が期待できるでしょう。タイ人の所得も増え、日本に遊び感覚で旅行できる「中間所得層」が台頭します。
もうタイは生産国ではないのです、タイは立派なお客様、日本にたくさんお金を落としてくれる重要顧客なのです。
(出典元:世界経済のネタ帳:http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPDPC&c1=TH&s=&e=)
「ASEANのハブ」で世界中から注目を浴びているタイですが、解決しなければならない問題、「言語」の問題があります。
英語を理解できる人が少ないのです。ましてや日本語を話せる人はさらに限られています。
タイは歴史上独立国で、タイ語文化が根強く残っています。まさに日本と同じで、外国語に弱いのです。
タクシーに乗っても(タイでは移動手段でよく使います) ドライバーに言葉が通じないということは日常茶飯事です。
外国人観光客は地図をプリントアウトして見せたりします。私の場合は、100までの数字をタイ語で言えるようにしました。
タイでは、道(タイではSoi:ソイと言います) にそれぞれ番号がついているので、ほぼほぼ道の番号が伝われば正確な場所に連れてってくれます。
…スミマセン、脇道にそれました。
とにかく、タイ人を相手にする、タイ人を攻略するには、言語の壁を突破しないといけないのです。
これからタイおよびタイ人は重要なお客様になります。
彼らに対し、ウケるモノ・サービスを提供できる人に必要な要件はなんでしょうか?
言わずもがな、タイ人の嗜好がわかり、タイ語が話せる人ですよね。つまりタイ人なんです。
さて、ここからが本題です。
現在タイからの留学生数ですが、JASSOの調査によると、平成26年5月現在で、3,250人。
前年は2,876人ですので、約1.8%の増加です。毎年の増加率もこんな感じです。
タイ留学生の中には、学校卒業後、母国帰国を希望する人、
研究目的で来日しているため、英語のみを話す人もいるので、いわゆる日本で就職活動をする人たちは、
半数程度とみてもよいでしょう。
いずれにせよ、日本の企業のタイ人留学生の需要に、供給が追いついていない状態なのです。
そこで、提案したいのが「タイ現地での日本語人財採用」なのです。
さて、まず不安に思われる点としては、「日本語力大丈夫なの?」というポイントだと思います。
驚くべきデータが出ています。N2以上の方が大半なのです。
そもそも、タイ現地で日本就職を希望する層としましては;
一流大学の日本語学科卒業、日本の有名大学との交換留学経験あり。
日本企業に勤め、タイ現地法人に転籍、また日本で働きたくなった。
日本企業に勤め、日本人の上司の下で、仕事のやり方や経験を積んでいる。
などが多く、留学生と遜色がない、いや留学生以上に即戦力となれる人財の宝庫なのです。
タイ現地での日本語人財の待遇はますます上がっています。
日本の会社に新卒入るよりも、よい条件でオファーを出す会社もすでに出てきています。
もちろん生活費などの物価の差を考えると、額面では減るものの、タイの方がサバイ(気持ちよい・快適な)生活が送れるケースが多いのです。
それなのに、なぜ、日本での勤務を望んでいるのでしょうか?
一概にはいえないのですが、タイ人が仕事を選ぶ基準は「もはや賃金ではない」とも言えるのです。
サバイというのはタイ人が会社選びだけではなく、いろいろな場面で決断するときに、重要視するポイントです。
いかに気持ち良く働けるか?という観点です。
勤務地はどうなのか?買い物はしやすいのか?従業員のみなさんは快適な生活を送っているのか? 同僚や上司の風通しがよく和気あいあいとお話ができるのか?タイとどのように関わっているのか?
もちろん人によってサバイのポイントは違いますが、賃金のみをサバイと考えるタイ人は、日本就職を考えないでしょう。
1つの理由としては、日本の本社で体験できる仕事の幅。現在、タイの学生の間で経営学専攻やMBAを取得する学生が多いです。
そのような学生はマネジメントができる仕事を探しており、いわゆる日本企業の現地採用はいくらオファーがよくても敬遠する傾向にあります。
現地採用の場合、指示は本社から来ているので、それに従って通訳・翻訳などの仕事を着々とこなす形であり、仕事の幅が限られているのです。
さて、色々と長い話になってしまいましたが、
これから日本企業がタイ人を国内で雇用する際に、現地の日本語人財も視野に入れる時代がきています。
早くそれに気づき動き出すことで、優秀な人財を獲得できるチャンスがぐっと広がるのです。