タイ人採用の実態

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タイ人採用の実態 2019年度Ver (採用事例編)

タイ人採用の実態 2019年度Ver (人材市場編)

 

สวัสดีครับ!(サワディーカップ)

こんにちは、田上です。

前回に続き、国別ASEAN留学生採用の実態!

今回はタイ編をお送りします。

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↑代々木公園のタイフェスティバルは年々来場者が増加!去年は人がいっぱいで入れませんでした。

 

 

【供給(人材)】

留学生数

現在3,500人程度、年々増加しています。

3年前は、2000名程度ですので、かなりの増加率といえるでしょう。

しかし、注目すべきは日本企業のニーズがそれをはるかに上回っているという現状です。

ちなみに、タイの留学生は大きく分けて以下の3パターンに分類されます。

 

(1) 4年生大学在学

文部科学省から奨学金をもらっているケースがほとんどです。彼らは日本語を流暢に話します。

(2) 日本語学校在学

タイの大学を卒業して、日本での就職のために日本語学校に在学しているケースです。

中には現地の日系企業で働いた経験のある学生も多いです。

(3) タイの現地大学卒業後、日本の大学院に入学するケース

彼らの多くは文部科学省から奨学金を得ていますが、大学、大学院と英語しか使わないため、

地頭はよいのですが、日本語力は若干劣ります。しかし、短期間の間にハイペースで日本語を習得する人もいます。

 

性格

よくも悪くもマイペースで、新しいモノ好きで、ミーハーな面があります。

日本語ができるタイ人は今や職探しには困らない状況ですので、転職を盛んに繰り返しています。

タイ現地では若者の失業率は1%未満。タイ現地はさることながら、日本でもタイ人の転職は活発です。

性格は明るく、どこか人間味があります。日本人がタイの人に惹かれる理由もわかるかもしれません。

長期的にキャリア形成を考えることは苦手な印象で、たとえば今やっている雑用の意味をしっかりと考え、

石の上にも3年という考えを持って、勤続する、タイ出身者は少ない印象です。

(裏を返せば、タイ人に勤続年数を期待すると一気に可能性が狭まります…)

 

語学力

タイは歴史的に独立国で、タイ語が幅を利かせているため、外国語習得に関しては苦手としている人が多い印象です。

これからタイはASEAN経済共同体のハブと期待されているのですが、日本語はおろか英語も通じないことが懸念されています。

さて、留学生に関してですが、日本にいる留学生に関して多くは日本語検定N2を持っている印象です。それ以上は実際に話してみて

判断してもらう形になるかと思います。喋ることと、聴くことに関しては、かなり高いレベルにありますので、N3取得者でも話してみると

相当高い運用能力を持っていたりします。トリリンガルの比率ですが、ベトナムのそれよりもさらに下がる印象があり、

英語・日本語・タイ語の3ヶ国語をビジネスレベルで運用できる人は相当希少価値の高い人材だと思っていただければと思います。

 

キャリア観

日本で経験を積んで母国で活躍したい人、ずっと日本にいたい人、日タイの枠を超えてグローバルに活躍したい人。非常に様々です。

人気の学部や専攻に特に偏りがなく、語学力を活かせる通訳・翻訳。また翻訳・通訳にとどまらず、マネージャーとしてのスキルが得られる仕事が人気です。

また、近年増加しているのは、コンサルタント職種の人気です。MBA取得者や経営学、経営工学を専攻した学生からの人気が強いです。

タイ現地の人材事情ですが、日系企業に在籍されている人は、たいてい日本語学科を卒業して勤務されています。

日本語と日系企業の文化に慣れている人たちですので、即戦力が期待できます。

彼らも日本で働きたい欲求が強く、いわゆる本社からの命令を受け、それを遂行する通訳・翻訳を中心とした仕事にとどまらず、

本社機能のある会社でマネージャー経験を積みたいという気持ちが強いです。

日本語学科ではチュラロンコーン大学、タマサート大学(私はチュラタマと呼んでいます)

続いてカセサート大学、シラパコーン大学などが有名です。

日本の大学との交換留学も活発に行われており、卒業生はN1, N2を取得する人もかなり多いです。

 

【需要(企業)】

・採用背景例

(1) タイ進出への推進役

近年は生産拠点だけではなく、営業拠点という動きも目立ちます。

またASEAN進出の足がかりをタイから始める企業は非常に多いです。

(2) インバウンド観光客対応

タイの観光客はビザ緩和の影響を受け、ここ5年で3倍以上に増加しています。

日本語も英語も話せないタイ人観光客におもてなしができるのはタイ語を話せる人材の採用です。

さらにタイ人向けの訪日旅行はツアーパッケージではなく、急増している個人旅行のニーズに応えねばなりません。

どこの事業者様も苦労されている印象です。

(3) タイ進出のアドバイザリー (コンサルタント職)

他のASEAN国籍求人では見られない、タイ人特有のコンサルタント求人です。

主な業務は日本企業のタイ進出のサポートです。それだけ日本企業のタイへの進出熱は高いという一方で、

言語や商習慣の日タイの障壁は高いといえるでしょう。

 

人材要件一例 (実績ベース)

食品メーカー  Y社

採用背景:

タイでの新規営業拠点設立にあたり、将来のマネージャー候補  (バンコク勤務)

人材要件:

・日本語ビジネスレベル

→タイ人は日本語会話に関しては取得している日本語検定も高レベルの運用が可能です。その分、漢字の読み書きが苦手という印象があります。

・半年後にバンコク勤務が可能な人

 

IT 業 L社

採用背景:

タイでの自社製品の販路・代理店開拓

人材要件:

・日本語ビジネスレベル

・英語 日常会話レベル

・日本を拠点に活躍できる人

 

卸売業  M社

採用背景:

インバウンドタイ人観光客の接客、および将来のタイ店舗設立 (バンコク勤務)

人材要件:

・日本語ビジネスレベル

・1年後にバンコク勤務が可能な人

 

コンサルティング L社

採用背景:

タイ進出案件およびタイ現地法人の案件増加に伴い、将来タイ現地でコンサルタントが必要になった。

人材要件:

・日本語ビジネスレベル、英語ビジネスレベル

→N1取得者が少ないことと、N2でも意思疎通に問題ないことを説明したうえで要件を緩和いたしました。

・半年後にバンコク法人勤務が可能な人

 

【補足】

タイ人採用は他の国籍と比べ確認すべきポイントが多い印象です。それゆえ、確認漏れでミスマッチを防ぐために

下記のポイントは事前に抑えておくべきとも言えます。

・現地転籍になった際の給与

*今は現地給与が高騰しているため、4万バーツ以上が当たり前になりつつあります。1バーツ3.2円と想定すると13万円程度ですね。

ちなみにタイの大学の日本語学科の新卒が2万5千バーツ程度です。日本留学・日本勤務しているがゆえに、望むものも高くなります。

・現地転籍の際の勤務地

*バンコクであればほぼ100%大丈夫でしょう。ただ、バンコクを離れたところの勤務となると事前確認が必要です。

・(余談) 親の状況

*これには諸説ありますが、「両親が反対しているからとか両親のもとに帰らなくてはいけなくなったとか」は。

タイ人が内定辞退・退職をするときにありがちな理由です。敬虔な仏教徒なので、親をとても大切にするのはよい国民性だとは思います。

ただ、それが本当の場合と、実はこれを言えば会社側はどうやっても引き止めの対策が取れないという戦略的に使う場合があるそうです。

真相はまだわかりませんが、ちゃんと信頼関係を構築することで、ホンネを引き出すことが可能です。

月並みな回答ですが、密にコミュニケーションをとることが重要です。

 

以上、次はミャンマーVer.をお届けできればと思ってます!

乞うご期待!!

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ABOUTこの記事をかいた人

TagamiTatsuya

1988年東京で生まれ、2010年に明治大学経営学部を卒業後、金属系の専門商社にて海外輸出チームにて中国向けの輸出及び中国・中南米の三国間貿易に従事。 ASEAN好きが高じて、2013年に退職。ASEAN留学生と若手日本人の文化交流を推進するNPOを創業。2014年には在日留学生の就職問題と日本企業の機会損失を解消すべく、NODE株式会社を協同創業。 主に在日東南アジア人材を中心に約10,000人の日本語人材の獲得、さらに3,000人以上の面談経験を有する。 現在は、ASEAN人材ハンターの肩書きのもと、採用企業の外国籍人材採用および同業人材エージェントの戦闘力強化をサポート。