『イメージと違ってかなり不親切な日本人』タイ人から見る日本の課題。ユーさんインタビュー

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<ディオクン カノックワン(ユーさん)プロフィール>

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日本歴は7年で、高校を卒業してすぐ日本の語学学校に通い、その後大学に進学。今は日本の企業で働いている。

好きな日本語は『もったいない』、好きな漢字は『愛』。現在は日系企業で日本とタイの橋渡しとなる仕事を任されている。今のところはずっと日本にいるつもり。

 

 

 

 【日本の印象】

 

ーーなぜ日本に留学することになったんですか?

A:『アニメが好きで日本に行きたい!』とか『日本文化が大好きだから日本じゃないと嫌だ!』って人も結構いると思うんですけど、絶対日本が良いっていう明確な理由がない人もいて。私もそのうちの一人で、『留学先は絶対日本が良い!』っていう熱い気持ちはありませんでした。

 

 

ーーそうなんですね。少し残念・・・。
では何故数ある国の中で留学先に日本を選んだのですか?

A:戦争の時代から仲が良いという教育は受けていたので、日本に対するイメージは良いものでした。日本村があったり、それを扱ったドラマもあったので、アメリカやヨーロッパよりも身近な国でしたね。あと進出してる日系企業や日本人観光客も多いので。

 

そんな身近な日本人のイメージは、真面目だとか親切だとかプラスのものしかなく。国も他の国と比べて治安が良いイメージがあったので、アメリカやヨーロッパより安心して留学出来る場所でした。

 

ーーなるほど。確かに日本人でも自分の国は治安が良いというイメージがあるから、他の国に行くのが怖かったりしますね。

では、そもそも留学しようと思ったきっかけはなんだったんですか?

A:私は小さい頃からパソコンをいじるのが好きだったんです。プログラミングができるとかではないんですけど。

それで、パソコンを学ぶのならタイではなく、他の先進国の方が良いんじゃないかな、と思ったのがきっかけです。

日本の技術がすごく進んでるイメージも強かったし。

 

ーーでは日本に来る前の日本のイメージは本当に良いものばかりだったんですね。日本人としては凄く嬉しいです。
 日本に来て、想像以上に良かったこととかはありますか?
A:交通の便が凄く便利!電車で何処でも行けちゃうのは本当にすごいと思います。他にもきっちり列に並んだり、あとゴミの分別がすごい!

タイでもやろうという試みはあったんですけど、結局失敗したんですよね。

あと、これは好き嫌いがあると思うんですけど、身内と他人の切り替えをしているっていう事が、私は結構好きです。

 

 

 

【日本の課題】

 

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ーーでは逆に、日本に来てから『あれ、イメージと違う』ってことはなかったですか?
A:日本は国が綺麗で、親切な人ばかりってイメージだったんですけど、正直そうでもなかったです(笑)

確かに親切な人はいるけど、あまり多くなくて、どちらかというと冷たい印象を受けました。ただシャイなだけなのかもしれないけど、困っていても見て見るふりをする人が結構いるというか。

タイは微笑みの国なのでみんな笑顔で優しいんですよね。

そもそも外国人に対して良い印象を持ってない日本人も結構多いように思います。もちろんそれは人それぞれで、仕方のないことですけど(笑)

 

ーーそうなんですね・・・。ではコミュニケーションで困ることは結構多かったですか?

 

A:そうですね、タイ人は思っていることをそのまま表現するんです。なので、本音と建前が異なる日本人を理解するのは大変でした。

今では結構わかるようになってきたんですけど、日本に来たばっかりの時はそのことに気づきもしませんでした。笑ってるけど本当は怒ってる人とかいるじゃないですか。凄く怖い・・・。

YES/NOもはっきりしないので、『どっち!』って言いたくなります(笑)

 

ーー確かに日本人の私でもそう思う時があります(笑)
では、日本には今後どうなっていってほしいと思いますか?

A:もっと多国籍に対応してほしいですね。日本は島国だから仕方のない事かもしれないけど。

一度海外に出て、異質の者として差別されたりする、という経験をしてもらいたいなって思います。その経験を持った日本人が増えて、同じ気持ちを共有出来れば、外国人との接し方も変わるんじゃないかなって。

オリンピックもあるから、また来たいと思ってもらえるような国になって欲しいですね。

そのためにはどんな凄い建物があるか、ってのも大切かもしれないけど、やっぱり人との関わり方も大切だと思います。

 

ーーたしかに。『おもてなし』宣伝でハードル上げちゃってるし、
ゆーさんみたいにガッカリしちゃう外国人も結構増えちゃうかもしれないですね(泣)。

 

 

 

【働き方の違い】

 

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ーー日本人とタイ人は結構違うみたいでしたが、働き方も違うのでしょうか?
A:そうですね。日本人って60歳ぐらいまで働くじゃないですか。ありえない!タイでは40歳ごろに退職して、子供が稼いで親の生計を立てるのが基本なんです。タイ人はとても親孝行で、兄弟も仲が良いので。

 

親が子供の面倒を見てくれるので、女性は妊娠・出産からたった3か月で働き始めます。

だから東南アジアは、女性でトップの人や政治家が多いんです。実際、トップが女性だと業績が伸びるという研究結果もあるんですよ。

でもこれは女性が男性と同じように働ける環境があるからこそでしょうね。

屋台が多いのも、女性がバリバリ働いているからという理由からだと思いますよ。

 

ーー40歳で退職って凄い!日本だったらバリバリの働き盛りですもんね。
専業主婦が結構多いのも日本独特の文化だったんですね。
専業主婦が良いって人がいても全然良いと思うけど、働きたい女性が
もっと活躍できる場を作るというのは日本の課題ですね。
では、ユーさんが考える日本の働き方の課題はなんですか?

 

A:まず、休暇が取りにくいこと。そして女性の働く場が少ない!

このようなことが未だ改善されていないと言うのも、古い慣習を振り切れないところが原因だと思います。

グローバル化が遅れているのも古い慣習のせいかもしれませんね。

そういった今後の日本にとってマイナスになる習慣は見直していくべきなんじゃないでしょうか?

 

ーーその通りですね。ASEANというとこれから発展していく、というイメージでしたが、
女性の社会進出やその環境においては日本よりも全然進んでいるとは・・・
専業主婦がいても全然良いと思うけど、働きたい女性がもっと活躍できる場が作れたら良いですね。

 

ライター:弓場絵里加

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