<ヌル・イッザーさん(イッザーさん)プロフィール>
マレーシアの大学に2年通い、3年生から日本の大学に編入。これから大学院生になる。日本歴は1年半。
好きな言葉は「大丈夫」。ホームシックにかかった時に自分でこの言葉をかけてたから聞くとホッとするそう。日本で就職したい。
日本の印象
—なぜ日本に留学しようと思ったのですか?
A:ずっとモノづくりに興味があったので、技術が凄いと有名な日本の大学に行くことが夢でした。
大学でも電子システム工学を専攻しています。
あとは、ガンダムや日本のアニメがすごく好きで。笑
2006年にガンダムシードを友達に勧められて見始めたらハマっちゃったんです。プラモデルもいま家に2体います笑
—おお!すごいマニアックな匂いがプンプンする!笑 少し専攻の分野にも繋がる気がしますね!
A:サイコロジーとか機械系とかのアニメが特に大好きなんです。確かに思い返してみればそうかもしれません笑
見始めた当時は英語の字幕で見ていたので日本語は全くわからなかったけど、今はイントネーションの違いや表現の違いも分かる。
日本語の勉強にもなっています!
—やっぱり好きだから続けられる、続けるから力になるんですね。
日本の好きなところは?アニメ以外でお願いします!笑
A:たくさんあります!!!まずきれいだし、交通が便利すぎる!あとはやっぱり食べ物かな。
マレーシアにも帰る時は必ず買って帰ります。家族もすごく好きで。もちとかチョコレートとか。美味しいですよね〜
日本というか日本人の好きなところで言うと、一生懸命なところ・思いやりがあるところかな!マレーシア人は自己中心的な人が多いから!笑
車を運転していても乱暴だし、ルールを守らない人が多い!
—マレーシア人は自己中!笑 私はマレーシア人の知り合いがイッザーさんしかいないのでそのイメージはなかったです!
イッザーさんは優しくて明るいイメージ!
では、逆に日本人の嫌いなところはありますか?
A:一生懸命になりすぎてストレスがたまってそのストレスの解消の仕方がよくないと思う!
よく街で見る酔っ払いとか、自殺とか多いですよね。人に迷惑かけるな!と思います!
ー本当にその通り!日本では「頑張るのが普通」みたいな文化があるような気がします・・・
何事もやりすぎは良くないし、何よりも人に迷惑をかけちゃダメですよね。
日本に来てみて
—日本に来て自分が変わったな、と思うことありますか?
A:あまり強く言えなくなったかな。日本人は優しいから、その感じに慣れちゃったのかも笑
例えば、マレーシア人はサービスが悪かったりするとすぐに怒るんです。私も前はそうだったんですけど、今は言えなくなった。
そういう時に弱くなったな、って思います笑
—弱くなったと思うんですね、面白い!笑 他に何か変わったことありますか?
A:うん。あと、マレーシア人は時間にルーズな人が多いんだけど、日本に来て自分がきちんと集合時間を守るようになった!
マレーシアに帰って友達と遊ぶ時に待ち合わせをすると、みんな遅れてくるんです。
今までは自分も遅刻は普通にしていたのに、よくない!と思うようになった。
そういう時に厳しくなったなと思います。
——完全に日本人化してますね!笑
マレーシアの家族や友だちに変わったね、と言われたことありますか?
A:あります。妹から「日本人っぽくなった」と言われました笑
あと、面白かったのが、味の好みが変わっちゃって。マレーシアは味付けが濃すぎるんです。
マレーシアに帰った時に家族に食事を作ってあげたら、味薄くない?!と言われてしまいました笑
日本で働くことについて
—イッザーさんは日本で就職したいとおっしゃっていましたが、日本で働くことで不安に思っていることはありますか?
A:一番は言語です。
あと、日本の慣習かな。
日本の会社独特のやり方とか上司と部下のマナーとか、マレーシアにもないわけではないけど、
日本はそういうのが強すぎて、自分がちゃんとやれるか不安です。
日本の遠回しに言う文化も正直に言うと少し面倒と思うこともあります笑
——日本の慣習や文化って海外の方には理解するの難しいですよね・・・
私でもわからないことたくさんありますもん笑
では、改善して欲しいところは?
A:日本はもっとグローバルな環境になるから、もっと考え方をオープンにして欲しいです!
日本人としてのアイデンティティが強いのはいいことなんだけど・・・想像以上に外のことを知らなすぎだし、興味がなさすぎる!
日本に来る前はそういう考え方はおじいさん・おばあさんの時代のことだと思ってたけど、
実際に来てみてまだ全然変わっていなくてびっくりしました!
国が豊かすぎて、ユートピアみたいだから日本人は外に行くのを嫌がるんですかね?
——その視点とっても面白い!!!
私も海外に興味がある方なので、そういう風に考えたことはなかったけど、「日本が一番」に浸ってしまっている日本人はたくさんいる気がします!
日本とムスリムの架け橋に
——イッザーさんは将来の夢ありますか?
A:まだハッキリと決まっていないのですが、二つあります。
一つ目は研究者になること。今やっている研究が本当に社会のためになるのか、実用できるのかを追究したい!
もう一つは、日本がもっとグローバルになるための手助けをすること。
オリンピックに向けて、ムスリムフレンドリーのお店とかハラルのお店とかをムスリムの観光客たちに紹介したいです。
日本にもハラル食の許可を出すところがあって、そこで働きたいと思っています!
——そんな団体があるんですね!知らなかった!!
いま、日本に住んでいて具体的にはどんなことが不便ですか?
A:食べられるものやお店を自分で探さなきゃいけないんです。これはダメあれはダメと。
外食をすると、本当に食べても大丈夫なのか不安になることがたくさんあります。
ハラル認証を受けたレストランは見てすぐムスリムOKというのがわかるので、お店選びが簡単なんです。
そういうお店を増やして、ムスリムの人々が日本に来て安心してご飯を食べられる環境を作りたんです!
——すごく素敵ですね!
それはムスリムとして日本で暮らした経験があるイッザーさんだからできることかもしれませんね。
A:はい。日本人とムスリム、お互い分かり合えるところを見つけたいんです。
特に、ハラルフードについてもっと日本人に知ってもらいたい。
同じムスリムでもハラルの考えが違うことがあって、そのグレーゾーンをはっきりさせることで日本人にもわかってもらえるのかなと思います。
将来は日本とムスリムの架け橋になりたいです。
異文化のこと宗教のこと、最初はわからなくて当然。理解しようとする姿勢が日本人にも必要なんだと思いました。
イッザーさんは「いいところも悪いところも日本」と仰っていました。
私たち日本人も他国の文化や人に対してそのように考えられているのか・・・と考えさせられるインタビューでした。
イッザーさんありがとうございました!!